通訳者の将来ー英語を学習する意味を改めて考えてみました

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ここ数年の間、AI翻訳や自動翻訳アプリの進歩は目を見張るものがありますね。「もう近い将来、通訳者なんて必要なくなるんじゃないか?」と感じ始めている人もいらっしゃるかもしれません。

実際、ニュースやSNSでも「AIが仕事を奪う」という言葉をよく見かけます。通訳や翻訳の世界も例外ではなく、不安に思い始めている学習者の皆さんが大勢いらっしゃるように感じています。

でも、だからといって「もう英語を学習しても意味がない」と結論づけるのは、ちょっと早いのではないでしょうか?

今回は、元会議通訳者の私がこれまでの経験から考える「AI時代における通訳者の将来」と「これから英語を学習する人達へのメッセージ」を書いていきたいと思います。

1 AIと通訳者の将来 ー この不安はどこから来るのか?

「AIに仕事を奪われるのでは?」という不安は、通訳者を目指す人達の話しだけでなく、今、社会のあちこちで耳にします。

AIが強みを発揮しているのは、やはりそのスピードと大量処理能力です。

● 瞬時に訳文を出してくれる (人間なら数秒かかるところを一瞬で処理する)

● 辞書をめくらなくても、膨大な専門用語や言い回しを知っている

● 休憩なしで24時間働き続ける

こうした点においては、人間はどうしても太刀打ちできません。だからこそ「じゃあ、通訳者もいらなくなるのでは?」という声が出てくるのですね。

(ある調査によると、「AI翻訳はニュースの記事やマニュアル文書なら、9割近く正確である」というデータも紹介されています。)

2 AI翻訳の利点 ー 実際にすごいところ

不安を煽るだけでは不公平なので、AIのすごい点をもう少し具体的に書いてみようと思います。

● 旅行や日常会話には十分

海外旅行の時に道を尋ねる、レストランで注文する、このような場面ではAI翻訳アプリが大活躍します。スマホをかざせば看板やメニューも訳してくれるし、耳から聞こえてきた英語も即座に文字にしてくれます。

● オンライン会議に便利

ZOOMやTeamsなどに搭載されているリアルタイム翻訳は、外国人同士のカジュアルな打ち合わせなら十分に役に立ちます。

● コストが安い

プロの通訳者を雇うと、会議の長さにもよりますが一日数万円~十数万円が相場です。それに比べると、AIはほぼ無料。費用面では圧倒的に有利です。

(「AI通訳サービスを使ったら、予算が半分で済んだ」という企業の事例もあるそうです。)

3 AI通訳の欠点 ー まだまだ人間には適わない部分

一方で、AIに任せっきりでは危うい場面も多いです。

● ニュアンスが伝わらない

「YES」と言ったとしても、それが「本気の賛成」なのか「仕方なくの了承」なのか、AIには伝わりません。声色や間の取り方から伝わるものを補うのは人間の役目です。

● 専門的な会議での正確さ

医学や法律の国際会議では、一語一句がとても重要です。ちょっとした誤訳が大きな誤解につながることがあります。AIの訳は速いけれど、そこまでの精度と責任は持てません。

● 場の空気を読めない

冗談や皮肉、ちょっとしたユーモアを交えた発言には、AIは弱いです。外交の場面では「言わなくても伝わる空気」が大事なことも多いのですが、そこはやはり人間でなければ難しいのです。

4 通訳者の本質と将来 ー 人と人とをつなぐ仕事

通訳というのは、ただ「英語を日本語に置き換える」仕事をする人ではありません。もっと大事なことは、人と人とをつなぐことです。

たとえば国際会議では、通訳者は単に訳すだけではなく、「会議の目的がちゃんと達成されるように支える」役割を果たします。参加者が誤解せずに共通の認識を持って、スムーズに議論を進められるように調整するのです。

これはAIがどんなに進歩しても、すぐに真似できることではないと思います。

5 AIと共存する通訳者の将来

だからといって「AIなんて必要ない」と突っぱねるのも決して現実的ではありません。むしろ通訳者の将来は、AIをうまく味方につけられるかどうかにかかっていると思います。

● AIに大量の資料を読み込ませて要点を整理する

● 専門用語リストを自動生成させる

● 会議の議事録をAIに任せて、人間は本番に集中する

こうしたやり方をすれば、AIと人間のいいとこどりができます。

(電卓が登場しても数学者がいなくならなかった」のと同じです。AI翻訳も強力な道具ですが、最後の調整は人間がやる、という構図は今後もしばらく続いていくのでしょう。)

6 英語を学習して通訳者を目指す人達へのメッセージ

これから英語を学習して、通訳者を目指す人達へ、3つだけお伝えしたいことがあります。

a 英語と文化を一緒に学習すること

単語や文法だけでなく、その背景にある歴史や価値観を理解してこそ「正しい伝え方」ができます。

b 人とのコミュニケーション力を磨くこと

通訳者は言葉を訳すだけの存在ではなく、人と人を和ませる潤滑油の役割も担っています。ちょっとした笑顔や相槌も大切なスキルと言えるでしょう。

c AIをうまく活用すること

これからはAIを道具として取り入れられる通訳者が強くなっていくと思います。AIに任せるところと、人間がやるべきところを見極められることが、新しい時代に必須のスキルになります。

7 英語学習の意味と通訳者の将来

AIが進歩しても、「自分で理解できる力」を持っていることの価値は変わりません。英語を学習すれば、通訳者にならなくても、世界の一次情報に直接アクセスできます。

通訳者という仕事の形は少し変わってくるかもしれません。でも「言葉を通して人とつながる喜び」は、なくならないです。むしろAI時代だからこそ、その大切さは増してきているのではないでしょうか?

まとめ ー 英語と通訳者の将来をどう考えるか

「通訳者の将来はどうなるのだろう?」と不安に思う気持ちはよくわかります。でも、AIが進化してきても通訳者の価値はなくならないと思っています。人と人をつなぐ仕事としての本質は、これからも残り続けるのです。

これから通訳者を目指す人達は、英語力+文化の理解+AI活用力をバランス良く身に付けることで、これからの新しい時代に必要とされる存在になれるはずです。

AIが台頭してきている今だからこそ、通訳の面白さや奥深さを、ここでもう一度見直してみませんか?

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