私が噂に気づくまで
私は、30歳から60歳までの30年間、ほとんど毎日働いてきました。 その間、自宅にいるのは5分の1から10分の1ほどだったと思います。 私達夫婦には子供がいないのをいいことに、私は、勝手気ままに仕事の場所を決めてきていました。 夫も毎日働いており、のんびりと独身生活を楽しんでいるようでした(私の勝手な推察ですが) それで、60歳丁度で仕事を辞め、家にいるようになったのですが、この1,2年後に、ご近所でとんでもない噂が広まっていたことが分かったのです。
私の自宅の状況と近所の人達との関係
私達の自宅は、地方の〇〇市の郊外にあり、銀行も大手スーパーも何でもあり、快適な生活を送る事ができてましたが、当時、近所の奥様たちは、ほとんどが専業主婦でした。 でも、時々、顔を会わせた時などは、にこやかに話しをしたりして、とても穏やかな関係を保っていました。
私が認識していた近所の人達との関係
その後、仕事を辞めてずっと家にいる生活を始めてから、非常に驚いた出来事があったのです。 今回は、この出来事をお話しします。 海外での仕事の期間は、初めの頃は2,3週間。徐々に期間が長くなっていって1か月、2か月。お終いの頃には3か月になってきていました。
優しく穏やかな旦那さんと短気な奥さん
このような時期、自宅の近所では(あそこの奥さん、旦那さんと喧嘩をしては家出をしてるらしい)という噂が広がっていたそうなのです。 これは、私が大きなスーツケースを抱えて、しばらくいなくなっている事を、近所の誰かが推察したのじゃないか、と思うのですが、私が帰ってからお会いした近所の人達は、そんなこと、おくびにも出しません。皆さん、にこやかに接して下さっていたので、私は何も気づきませんでした。
因みに、私の夫は(見た目)穏やかで(中身もそうですが(笑)いつも、ゴミ出しの日には、ゴミ袋を抱えてゴミ集積所まで運び、そこで近所の人に会うと挨拶を交わすので、
どうやら近所では、「穏やかで優しい旦那さん」と、「しょっちゅう家出を繰り返す短気な奥さん」という夫婦像が出来上がっていたらしいのです。
私に告げられた噂
後日、私が仕事を辞めて自宅にずっといるようになった時、近所の女性のひとりが、なにやら言いにくそうな顔で近づいてきました。 「あの……奥さん、時々家出されてたんじゃないんですか?」
私、(えっ!?)なんてことでしょう!こんな話になっていたなんて! うちの夫は近所の人たちと顔を会わせると、いつもにこやかに話しをしていたようなのですが、自分の家の事を自ら進んで話すような事はしない人です。 だから、噂に尾ひれが付いて、こんな事になっていたらしいのです。
噂を聞いた時の、私の衝撃
じゃ、私、近所では怖い人だと思われ続けていたってこと?
この噂、話しを知った直後はかなりショックでした。 ですが、特に困った事も起きなかったし、近所の人達とも、いつもと同じように普通に話をしていたので、この噂は自然に立ち消えになっていったようでした。 付け加えると、私達家族は、いちおう◎◎市と呼ばれる所に住んでいますが、地方の小都市の郊外です。 当時でも、東京や大阪のような大都市に住んでいたなら、こんな噂は出てこなかったはずだと思うのです。
噂のその後
私はその後も近所で普通に暮らしています。 幸い、この噂が原因で困ったことは一度もありませんでした。
ただ今でも、「あの頃のご近所さんは、本当に私を家出妻だと思っていたのだろうか?」と考えることがあります。 もしそうだとしたら、私の人生最大の濡れ衣だったかもしれません(笑)。

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