英語を学習している人なら、一度は「シャドーイング」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?
これはリスニングとスピーキングの両方を同時に鍛えることができる、非常に効率的な学習法です。プロの通訳者や英語教師もお勧めしていますが、実は初心者でも段階を踏めば取り組めるのです。
ここでは、シャドーイングの基本から、実際にどうやるのか、効果を出すためのコツ、レベル別に異なる方法までを、じっくりとご紹介していこうと思います。
シャドーイングとは何なのか?
シャドーイング(Shadowing)とは、その名の通り「影(shadow)のようについていく」という 意味です。
耳に入った英語を、ほんの0.5秒~1秒遅れて、声に出して繰り返す学習法で、リスニングとスピーキングを同時に行うことができます。
この「シャドーイング」は、もともと同時通訳者のトレーニングとして考案されたものだったのですが、今では一般の英語学習者にも広く使われるようになっています。特に「発音、イントネーション、リズム」を身体に刻み込ませるのには最高の方法だと言われています。
なぜシャドーイングが有効なのか
① リスニング力がグンと伸びるから
英語が聞き取れない理由の多くは、「音のつながりや省略」に慣れていないからです。シャドーイングを繰り返し練習していくと、その自然な変化を耳でも口でも再現できるようになります。 その結果として、実際に英語で会話をする時、話されている会話の意味をスッとつかめるようになるのです。
② 発音とイントネーションが自然になるから
英語特有の「抑揚」や「強弱」は、頭で理解するだけでは身に付きません。シャドーイングで真似して口に出すことにより、日本語にはない英語のリズム感が自然に身体に染み込んでくるのです。
③ スピーキング力も同時にアップするから
聞いた瞬間に口に出すので、考えるより先に英語が出てくる回路が作られます。 「反射的に口から出る」状態を目指せるのです。
ステップ1:教材を選ぶこと
最初は短くて理解しやすい英語がオススメです。
たとえば、
〇 NHK ラジオ英会話
〇 TED Talks (字幕付き)
〇 BBCやVOAのニュース
〇 慣れてきたら、映画やドラマ
ステップ2:音声を聞くこと
いきなりマネをしようとはせず、まずは2~3回ほど聞いて内容を理解しましょう!
ステップ3:スクリプトを確認すること
分からない単語や表現はスクリプトを見てチェックしておきます。意味が分からないままで始めるのはNGです。
ステップ4:声に出して追いかけること
ここからが本番です。
自分の声を聴いてみると、自分が思っている以上に違和感があるはずです。でも、そこから気づけることがいっぱいあります。
続けているうちに確実に「本物の英語らしさ」が出てきますよ!
初心者向けの工夫
「速すぎて無理!」と思ったら、
● 速度を0.8倍に落とす
● 1文ずつ区切って練習する
● スクリプトを見ながらやる
この方法でだんだんと慣れていけますよ。
中級、上級者の活用法
慣れてきたと思ったら、教材をレベルアップしていきましょう!
● ニュース:語彙力アップに繋がります
● TED Talks:話す人によってスピードや発音が違うものなので、より実践的です
● 映画やドラマ:日常表現や自然な会話が学習できます
上級者は「オーバーラッピング(同時発声)」や「プロソディ・シャドーイング(抑揚やリズムを 徹底模倣)」に挑戦してみると効果的です。
効果を最大化するコツ
1 毎日少しずつでも続けること(一日5分でも大丈夫!)
2 録音しておいて、あとで聞く(客観的に聞くことができる)
3 意味と発音の両立(理解しないまま行うのはダメ)
4 興味のある教材を選ぶ(自分の好きな分野なら続けることができる)
よくある失敗と注意点
● スピードについていけずに挫折 → ゆっくりから始めること!
● 意味が分からないまま繰り返す → 必ず意味を確認すること!
● 声を出さずに口パク → それでは効果半減!いや、半減以下!
まとめ
シャドーイングは「聞く・話す・理解する」を同時に鍛えることができる、一石三鳥の学習法です。
● 初心者は「短く、ゆっくり」から
● 中級者は「ニュースやTED」で応用
● 上級者は「映画やドラマ」で実践的に
続けていけば、必ず効果を実感できます! 英語を身体で覚える、その実感をぜひ味わってみてくださいね。
実は、私、、、
ここまで、シャドーイングをきっちりと練習して技術を身に付けてきた者のように、偉そうに書いてきましたが、 実は、私、最初からうまくできたわけではありません(涙)。
以前の記事でお伝えしましたが、私はもうじき30歳になるという時に、突然思いたって英語を学習し始めた、当時は専業主婦だった者です。「本気でやる!」という意気込みはありましたが、これからどうなるかなんて、何も考えられない状況でした。しかし、その数年後、会議通訳者になり、今では元通訳者としての発言をしていますが、私の失敗のひとつが、この「シャドーイング」でした。
実を言うと、かなり早い時期に「シャドーイング」を試していたのです。 ところが、これが全然ついていけなくて早々に挫折しています。
その頃のことは、今でも私の(黒歴史)として思い出します(笑)。
その後いろいろな学習法を工夫して英語学習を続けてきましたが、こうして振り返ってみると 「シャドーイングに苦戦した経験」も、今の私の学習観を形作った大事な要素のひとつだったのだと思っています。
だからこそ、この記事を作成するにあたって「時には、私の黒歴史も書いてみよう!」と思ったのです。もし、この記事を読んでくださって「私も挫折するような気がする、、」と感じている方がいたら、どうか安心してください。
挫折しても、あとでやり方を工夫したり、少し時間を置いてから再挑戦すればいいのです。 私がそうだったように。
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