３０歳目前で英語の勉強を始めた私は、一体何から手をつけてよいのか分かりませんでした。文法の知識も乏しく、知ってる単語数もあまり多くない。そんな私が、まず最初に選んだ学習法は「とにかく読む」ことでした。まず最初は受験参考書を何度も何度も読みました。そしてその次に選んだ方法は、「後戻りせずに読み進める」という一見無茶で無謀な方法でした。しかし、この「読む習慣」が私の人生の大きな土台になったのです。
受験参考書との出会いー英語に向き合った第一歩
いわゆる受験英語に縁のなかった私が、まず最初に手に取ったのは大学受験用の英語参考書でした。私の通っていた私立の女子高では受験勉強が重視されておらず（私の学校の卒業生の殆どが推薦入学で大学に行きました）、私はその時まで（大学受験用）参考書を読んだことがありませんでした。しかし、少しずつ読み進めるうちに、「あ、英語ってこういうふうに説明されるんだ」と、少しずつ英語の世界が広がってくる感じがしてきたのです。
分からなくても進む勇気ーこれが、のちの自信につながった
ずっ～と英語の本を読みながら、「これは、たぶんこういう意味かな？」、「こういう意味に違いない」、「こういう意味なんだと思っておくことにしよう！」と思いながら読み進めてきました。今思い出しても、先の見えない辛い経験でしたが、このことが、実は大きな訓練だったのだと思います。勿論、最初のうちは（数年に及びましたが）、間違ってても大丈夫！と自分に言いきかせつつ、とにかく先に進むようにしていました。するといつの間にか、徐々にですが「なんとなく分かったような気がする」という感覚を感じる時が出て来て、英語を学習していることに対する不安感が少しずつ減ってきたのです。 完璧に理解しようとすると、その所で止まってしまいます。しかし、少しずつ少しずつ「自分なりに理解しながら読み進める」力がついてくるにつれて、英語を読むことが苦痛から楽しさに変わってきました。
何度も読むことで「慣れる」ー一冊を繰り返す効果
次々と新しい参考書を読んで覚えることよりも、「同じ本を何度も何度も読む」ことに力をいれました。一回読んだだけでは分からなかったことも、２回、３回と読み返しているうちに、少しずつ少しずつ分かってくる。単語の意味が、前より自然に思い出せるようになってきました。こんな体験が積み重なり、少しずつ読み続けることへの安心感というか、自信が出はじめてきたのです。
文法も単語も気にしない！「後戻りせずに読み続ける」作戦
受験用参考書数冊を数回読んで自分のものにしたと感じられたあと、次に私が取り組んだのが、英語で書かれた小説、特に、ミステリーと言われる分野の小説（主にアガサ・クリスティ、文章が平易だからだそうです）でした。「分からなくても、とにかく最後まで読み続ける」という方法でした。英語で書かれた長い長い文章を読む時、知らない英単語が出てくるたびに辞書を引いていては、時間がかかりすぎて最後まで続きません。私は「逆戻りしない！」と心に決めて、最後まで読み通す訓練をひたすら続けました。最初は（と言っても、この期間が結構長かったのですが）大変苦痛でした。何度も何度も絶望感に襲われました。が、ある時、文章全体の意味がスッと入ってきた感覚が訪れたのです。
読む習慣が「耳」と「口」の準備にもなっていたーあらゆる勉強の出発点
私は当初、「読むこと」が聞く力や話す力につながるとは思っていませんでした。しかし、今、振り返ってみると、毎日英語の文章を目で追い続けたことで、自然と英語のリズムや語順に慣れていったのだと思います。 のちに、シャドーイングや音読の訓練を始めた時、まったくの初心者の感覚ではなく、「見たことがある」「なんとなく知っているような気がする」文章に出会う期間がたびたびあり、取り組むことが苦痛ではなかったことを覚えています。読むことは、英語に触れる最初の入り口でありながら、将来のステップへの架け橋でもあったのだと、今になって感じます。
英語の学習にはいろいろあると思いますが、私にとって「読む力」は、のちの英語学習の大きな土台になりました。聞く力も、話す力も、読むことで得られた語感やリズムが支えてくれたのだと思います。だからこそ、これから新しく英語を勉強される方にも、「読む」ことをぜひ習慣にしてほしいと思っています。
今日から、まずは１ページ読んでみましょう
もし今、「英語の勉強を始めたいと思っているけど、何からやればいいのか分からない」と悩んでいる方がいたら、ぜひ１冊の英語の本か参考書を手に取って読んでみてください。まずは、１ページです！読んでみてください。理解できなくても大丈夫！後戻りせずに最後まで読み通す！この繰り返しが、いつの間にか貴方を英語の世界に連れて行ってくれるはずです。私が保証します！ 読むことは、道具も費用もほとんどいりません。今日からすぐに始められる方法です。「知らない単語が多いからダメ」「文法を理解していないから無理」と敬遠せずに、一歩済み出してみてください。 英語の世界は、貴方が思っているよりもずっと優しいのですよ！
まとめ
私も３０歳目前で英語を勉強し始めた時、そしてこのあとの結構長い間、「無謀な挑戦なのかもしれない」と思っていました。それでも、読み続けることで、少しずつ道が見えてきました。 次回は、私が次に取り組んだ「英語を声に出して読む」勉強法について、お話ししたいと思います。
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